今話題の『恒大集団デフォルト問題』ですが、中国不動産業界だけでなく、様々な国々の様々な分野に影響を与えています。
現に先日の香港証券取引所やアメリカの証券業界、そして日本、さらには仮想通貨市場でもデフォルト危機の影響で株価や価値が大暴落しました。
「なぜ恒大集団は破綻するのか?」
「破綻後はどのようになるのか?」
今回は深堀して解説していきます‼
恒大集団とは
中華人民共和国広東省深圳市に本拠を置く(登記上はタックスヘイブンであるケイマン諸島)不動産開発会社です。
中国で主に不動産業を行う会社であり、近年急速に力をつけてきた企業でもあります。
現在は不動産業だけでなく、ミネラルウオーターや食品の販売や観光業、インターネット関連サービス、保険、ヘルスケア、サッカーチームの運営など様々な事業を行っています。
中国不動産業界の抱える問題
中国では急速な発展と共に不動産価格の高騰が問題視もされており、給与のうち50%を住宅ローンに使用する人がいるという現状です。
さらに中国では住宅ができる前に家を販売し、先払いで支払う場合も多く、借金をして先払い購入することがほとんどで、住宅メーカーの倒産などで負債だけを背負う人が出てくるといった問題を抱えています。
恒大集団破綻する危険性
それは中国政府の政策の影響です。
その政策とは、『資産のうちの負債の割合とその割合に応じて資金調達できるとした規制』を定めたもので、資産のうち負債の割合が大きく、資金調達し次々と不動産開発を行う恒大集団にとっては厳しいものでした。
一つの街単位で、しかも中国全土100都市で開発を行っていた恒大集団は、資金調達ができなくなり、開発が止まってしまった現状です。
それによりこのような問題が発生しました。
- 資金が集められない
- 金融商品の配当が払えない
- 借りたお金を返せない
- 不動産が売れない
現在はもっている資産やEV事業などを売りに出して、なんとか破綻を免れている状態ですが、破綻するかもしれない会社の不動産を購入する人は少なく、ほぼ投げ売り状態です。
恒大集団の今後
中国政府が手を差し伸べなければ「恒大集団は確実にデフォルトします」
なぜなら今行っている負債の償却は、そのほとんどは『利払い』であり、これは利息分の支払いです。
今後、10/12、12末にはさらに大きな支払いがあることと、来年には本格的に返済が始まることを考えるとデフォルトすることは避けられないと考えられます。
また、9/23の中国元建ての社債は返済したとの報道が出たが、『現金』での返済ではなく、『現物(不動産など)』での支払いの可能性も高く、現に同日期限の米ドル建ての社債は返済できませんでした。
「恒大集団が倒産」することで関連企業や同じく中国国内の不動産企業は連鎖的に倒産することは間違いなく、中国経済が冷え込むことは間違いないが、中国政府も黙ってみてることはないでしょう。
恒大集団は登記がケイマン諸島であったり、救済知ることで貧困層の国民から反感を買う可能性も高く、中国政府は手を差し伸べることはないと考えていますが、連座的に起こりうる破綻や倒産についてはなんらかの介入を行うと考えています。
近年、中国政府は中国の大手企業を監視下に置きたいという動きが強く、シャドーバンクやタックスヘイブンを整理したいと考えていると思われ、今後の動向に注目です。
※個人的な見解ですが、恒大集団は主に中国国内で事業を行っており、グローバルな展開をしていなかったためリーマンショック程の全世界への影響は考えられないと予想しています。
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