今回の記事の内容は、金融市場や株式市場で話題となっている【米シリコンバレーバンク経営破綻】についてです。
この経営破綻は、2008年の金融危機で起きた貯蓄金融機関ワシントン・ミューチュアルの破綻以来では二番目の規模であり、SVB銀行自体も昨年末時点で総資産が約2090億ドルと全米16位でした。
そのため株式市場でも「リーマンショックの再来か⁉︎」との意見も出ています。結論から言うと、これから連鎖倒産の波は起きません。
その理由と今後の株式市場の動向について解説していきます‼︎
シリコンバレーバンクの経営破綻と原因
シリコンバレーバンクとは
シリコンバレーバンクとは、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタクララにある地方商業銀行です。
2023年3月10日に、流動性が不十分であり債務超過状態であるとして、カリフォルニア州金融保護改革局によってシリコンバレーバンクは閉鎖されました。
「なぜ他の銀行は決算が好調だったのにも関わらずSVB銀行だけ経営破綻したの⁉︎」
「長期金利が高いこと銀行にとって良いことではないの⁉︎」
と思われる方も多いと思いますが、SVB銀行は新興テック企業への融資が中心の地方銀行で、預金残高の6割を新興テック企業が占めていました。
そのため新興テック企業の業績などの左右される脆弱な財務体制となっていました。
経営破綻の原因
この経営破綻の大きな原因は、FRBの急激な金融引き締めなのです。
財務状況が脆弱であるほど新興テック企業などは資金繰りが困難になり、業績が悪化します。それによりそれらの企業が預金を引き出すことで、SVB銀行は資金流出への対応を迫られました。
対応策として米国債などの売却可能な有価証券を売却しましたが大きな含み損を抱えており、18億ドルもの損失を計上しました。
そして最後の策の公募増資も信用不安が懸念されて失敗に終わり、そのまま債務超過に陥りました。
株式市場への影響
これを受けて同じような経営体制であるファーストリパブリックバンク(FRC)は二日間で29パーセント安、バックウエストバンコープ(PACW)の株価は55%安と大暴落しました。
ただ、今の長期金利が高い状態の金融市場では銀行ビジネスは非常に強く、連鎖倒産になる可能性は低いでしょう。
銀行ビジネスとは、個人などの預金者から金利の安い短期金利で預かり、金利の高い長期金利で企業などの貸し付けることで利ザヤを稼ぐというシステムです。
そのため通常、今のような長期金利が高い環境下では金利の差により利益が出やすく、業績は成長、安定します。
しかし、この経営破綻の大きな原因はFRBの急激な金融引き締めであることから、今後FRBは政策転換を強いられてくるでしょう。
具体的に説明すると、3月の利上げが0.5%→0.25%のなる可能性と全体の利上げ回数が4回→3回へ変更となる可能性が出てきました。
金利と株価は逆相関の関係であるため、大きな株価上昇が期待できます。
まとめ
SVB銀行の破綻の原因がFRBの急激な金融引き締めであることや雇用統計でインフレの沈静化が見えてきたことにより、2023年の株価は好調になる可能性が高くなってきました。
ただそれと同時に2024年のリセッションも迫ってきており準備をしておくことが重要です。
さらに今後は、金融引き締めの終了と共にドル安になっていくと考えられるため、ドルと逆相関にある金と新興国株が強気相場入りする可能性が高くなります。
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